2018年10月



10月7日

迫田監督の話つづき。

我々の時代と違うんですよ家庭環境が。
我々の時は経済的に貧しくても、原爆が落ちてますからね子供の時に、
そんなに家庭が裕福じゃないんですどこも。
だけどおじいさんおばあさんがおって兄弟がおって、まあまあなんとかあれしとる。
親も子供の野球なんていちいち気にしてないよ、生活するのが精一杯よゆうのがね。
だからほとんどがお金ないならみんなで出し合ってあれしようとか、
そこらのあれは隣組じゃないけど、すごく団体責任で一人が悪かったらパッと怒られて。
だからすごい家庭の違いがあるんですよ。1から全部ああですこうですと言えないんですよ。

家庭的なあれいうのが、我々の頃はほとんどが同じような家庭環境なんですよ。
お前お父さんに似とるんか聞いたら「どっちのですか?」ゆうて。
「10番目のですか2番目のですか?」ゆうからごめん言って。
だから家庭のこと全然聞けれんね。それはもうしょうがないことでね。

卒業生におったけど親が離婚してそのお母さんに子供ができとるゆうたら、
上の子はあんまり家に帰れん状態になるんですね。
それであいつは悪いからお母さんに「お前」言うてね。
そのお母さんは真面目なんですが、お父さんと一緒にパチンコ行くんよね。
それでお金がないゆうとったらね。それは子供にまともにこうせいや言ってもね。
今はものすごく監督として難しい立場ですね。

──今は選手の家庭環境まで気にして指導しないといけないんですね。

だって90人おるのを全部調べてどうこうゆうたらね、無理ですよ。
昨日も 一人のやつがちょっと長いこと休んどったけえ、おばあちゃんが危篤状態だったんですよ。
来たからちょっとピッチング見てやろうと。
それを見て他のやつが「ええな休めて。ピッチング見てもらって」 
そいつはそれ言われて悩んで。おらんようになったんですよ。今の指導者は大変ですね。


この前阪神のスカウトの人がダルビッシュ有をずっと追いよったんですよ、
すごい素材だから。これ絶対取りたいと。ところが甲子園で試合した時に、
若生監督がベンチ前でミーティングをしたんですが、
話が終わった頃にダルビッシュがレフトから帰ってきて。
これはちょっとしんどいなあと。これは取れんね。
結局阪神はやめようということでやめたんですが。

ダルビッシュは日ハムに入って、日ハムだから育ったんですね。
阪神だったらおそらく育ってないです。今藤浪がおかしいじゃないですか。
そこらんところがある。中田翔を取りたい取りたいゆうけど、自分は追いよったけど、
阪神はそこを見てダメじゃと。これも日ハムに入って成功しとるんです。
今年は FA を取って出てもええゆう とるんですけど、どこも取らんのんですよ。
だから宣言せずに日ハム におります。おりますじゃないよそに行けれんのんです。
いいとこ入っても、今の太田なんかでも日ハムで活躍しとるじゃないですか。
ジャイアンツで全然ダメで、ドラフト一位でね。だからあれいうのはすごく、
自分の行くあれいうのはすごい左右されるものがある。







10月14日

迫田監督の話つづき。


日大アメフト部の問題でいろいろ問題が出てますけど、殴ってどうのこうのじゃなしに、
やっぱり男ですからある程度の期間は本当に兵役じゃないけど、
2年ぐらいパッとあれして結局身分も経済も全然関係なく2年間入って
みんなと一緒にパッとやって、特に学校の先生なんかしたほうがええと思うね。
学校の先生なんてゆうたら今はサラリーマン化しとるのと同時に 、
自分は頭がいいんじゃというあれがあってね。

──日大アメフト部のニュースを見られてどう思われましたか?

やっぱり監督さんのやり方かもわからんけど、
私としたら今の子供に合わないやり方だと思いますね。
その子供らがきちっと世の中で育てないとダメですからね。
変にそこらを言われてパッとどうこうじゃなしに、
その子らがアメフト部を出て良かったというものは作ってやりたいですよね。
ただ大学の頃成績が良かった、ガンガンやられてこうじゃったというのは、
今の時代それはもう無理なんですから。
今100人子どもおって男親に殴られたのが5人もいないんですから。
大学でガンガンやって、それで良い教育をしたかゆうてそれはできんですよ。

──昔だったら「相手を怪我させてこい」なんていうことはあったんでしょうか?

あったですね。それはもうなんじゃないですか、
平気でやったり東尾なんかぶつけよったじゃないですか。
あれは絶対意志があってぶつけてますよ。だから東尾の所に行ったらいいですよ日大も。
いやーええんじゃないのと言われるでしょう。ははは。それは結局自分に力がないんだから、
それをしないとしょうがないということですね、そこまでしないとやっていけない。

だけど落合さんなんかでも達川に「首から下はしょうがないよ。
首から上はいけんよ」ゆうて。やっぱり命が関わりますからね。
大野さんと川口さん、落合さんはどっちをよく打っとると思います?
同じ左ですよカープの。達川が受けて。

──コントロールの良い大野さんじゃないでしょうか。

どういうことですか?

──川口さんはコントロールが悪いので、頭に来るかもしれないので怖いと。
大野さんはそれがないので怖くなく打てる。

そういうことなんです。
川口さんはボールはどこにくるか分からんから、打つ方としてもしんどいんです。
じゃけど大野さんはコントロールいいから読めるんですよ。
体に当たるのは何とも言わん、しょうがない。
清原なんかは向かっていくバッティングなので、当たるのが多くなるし
避け方も下手なんじゃろうけどね。(被死球数)200なんぼ言うたら多いよね。







10月21日

迫田監督の話つづき。


──1年生が30人入ってきたとして、投手何人、捕手何人にするという目安はありますか?

全然ないです。それはあのそういうことはできんですから。
例えば特待生があって何人までとれるゆうたら、それはピッチャー5人じゃと。
あと10人を 内野手を8人、外野を2人でピッチャーもできるようにするとかありますけど。

──如水館は入ってくるまで分からないと。

わからんです。だから今年は少ないです。23名かな。

──目安として1学年にピッチャーが何人欲しいというのはあるんですか?

ないです。それはもう集めとる学校ですよ。うちらはそんなこと絶対ないです。

──ピッチャーが足りなかったら、適性がある子に「やってみないか」と。

そうですね。それ以外はやる必要ないですよ。
今はだからあれなんですよ、子供が考えることをできないんですよ。
平生の中でなんやゆうたら、正月に娘と車で「この辺じゃけどな」ゆうたら、
スマホでから調べて「信号を右行ってください」 
それでお父さんお母さんが育っとるやないですか。その子供じゃないですか。
私らの時代は電話番号を30から40は覚えてましたよ。でも今はそんなことはできんよね。
覚える必要がないなら覚えんですよね。その子に覚えろといっても覚える方法がないんですよ。

でも野球は記憶力がすごくいるんですよ。
こういう時にこんなミスをした、頭の中に入って、この前の試合でも8番が打ったのを
ライトが後逸して3ベースにして、次のバッターに外野に打たれて1点。7対1で勝ったんです。
後でピッチャーに「お前は何番に打たれたんや」 覚えてないんですよ。それはないよ。
ほいじゃあその次に出た時にどういう攻め方をするんや。ただ投げるだけなんですよ。


卒業生が新日鉄君津に行って、場合によっては来年プロ入るかもわからんのですよ。
日本文理大学行ってエースになって。そいつに「瀬戸内とやった時に2回からリリーフして、
7番にガバーンと3ベース打たれた。 無死三塁。 8番に4球投げてフォアボールですよ。交代。
「なんで交代したかわかるか?」「わかりません」「7番に打たれて8番をフォアボール言うたら
3番4番をどうするんや」 そんなことが全然わからんままに野球をしよる。

(この話の坂本光士郎投手はドラフトで指名されるかもしれません)


だからあれがないんですよ、次をどうするかとか。
やっぱりそこらを覚えてやるようにならにゃいけんわけです。
何番を初球のあれでうちとっとるから、今度はそれを投げずにこれを投げにゃいけんとかですね。
記憶力というのはすごい必要です野球には。

相手チームのデータを渡して「はい覚えなさい、30分以内に」 
ピッチャーは誰?キャッチャーは何年生?スイッチヒッター誰?足が速いの誰? 
全然覚えられんですね。それでどうこうせぇゆうたって野球にならんです。
だからそこらを覚えないといけんとやっとるから難しいです。
そういう訓練ができてないから、そういうことをしようと言っても無理なんですね。
普段から覚えないとダメなんだということでやっとったら、そしたら全然違うじゃないですか。

個人競技が日本強いのは、個人競技だったら自分のためなら我慢できるんですよ。
だけど他人のために我慢なんてできないんですよ。
親が他人のためにしろなんて絶対言わないんですよ。
「お前はヒット3本打ったんだからええ」と。「お前はどっかドラフトにかかるかもわからん」と。
だからそこらのところが今絶対にそういうふうなことをしないと、それが例えば、
取材があって話をして、広商時代の現役のことを、覚えてないですよ勘弁してください。







10月28日

迫田監督の話つづき。


──捕手以外は2つポジションを守れるようにしますか?

入った時からそんなことはしませんが、ピッチャーでもすぐにはいらわないですから。
コントロールが悪いのもまだ足腰が弱いんですから。先に足腰を強くしなさいよと。
故障はないですか。肩肘大丈夫ですか。それじゃああれしなさいと。
今日でも一年生が3・4人は投げますよ。だけどそれらにフォームまでは言わないです。
一応投げさせて秋ぐらいですね。 素材的に良いなら夏にも入れますけどね。
秋ぐらいからフォームについても言いますね。

今キャッチで背番号2で4番打ちよる2年生、これは入ってきたときサードだったんです。
それで5月かな変えたのは。キャッチに行けと。それはどういうことかゆうたら、
サードによっても来たボールしか捕らんのんです。
だから捕るためにスタートを切るだとかないんですよ。
キャッチだったらそこらのところが一球一球集中しないといけないじゃないですか。
お前はサードにおっても上手くならんからキャッチやりなさい。
それで一応成功しとるんじゃないかと思いますね。
サードにおったら未だに来たボールを捕るだけの感じで、
自分で動いてこうしようとかないと思うんですね。

──「中心選手を1学年に4人選ぶ」というお話がありましたが、それはいつごろ決まりますか?

おるんじゃったらそうしますけど、そうでなかったら別に決めないですね。

──選ぶ基準はなんですか?

やっぱり一生懸命やる奴を、そういう形で、それはだからどんなに真面目であっても
技術的に全然ダメな人を選ぶのは難しいですね。
4人を中心にして、その1人ずつをまた作るんですが、それはレギュラーでないとダメです。
レギュラー外の人を入れて、それはやっぱり遊びですね。
甲子園で勝つことを考えてやっとるんだったらそこらのものがないとダメですね。

──学年の中のキャプテンを作りますか?

作りますね。

──選ぶ基準はなんですか?

そんなあれはないです。ただそういうような形でなんかする時にはお前が責任を持ちなさいということで。
2年生に「お前は来年キャプテンするんじゃけえよう考えなさいよ」 
やっぱり責任者がおるとおらんでは違うと思いますね。

──春や夏に1年生をAチームに入れるときの基準はなんですか?

やっぱり将来を考えた時に、こいつじゃったらそれを分かってできるじゃろうと思うから入れますね。
チームというのは早くできたほうがいいんですからね。早くできたらそのチームで色んなことができるんですよ。
できなかったらチームプレーが難しいです。だから金光らの時はほとんどのことをやってるから
センバツで打つことができてなかった。夏までに打つことをやろう。
打率が1割4分なんぼです、春の選抜。夏は3割4分です。
2割も上がると言ったらそれはすごいですね。
その中で打てなかったらバントで点を取ることできるようになっとるんですから。





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